後継者が筋トレグッズで切り拓いた、町工場の新たな道
- 三木康司

- 9月1日
- 読了時間: 2分

「このまま、注文を待ち続けるしかないのか——」
千葉県で精密機械加工を手がける光精工の専務取締役、秋山大輔さんは、激減する受注を前に、答えの見えない日々を過ごしていました。1964年創業、積み重ねてきた技術への誇りはある。でも、状況は良くならない。社内改善をしながら、ただ電話が鳴るのを待つ。そんな2012年が訪れました。
その年の6月、秋山さんは「マイクロモノづくり経営革新講座(現-zenschool)」に参加し、初めての自社商品開発に挑戦します。最初に考えたのは折りたたみ自転車。でも、どうしても「なぜそれをつくりたいのか」というストーリーが見つからない。言葉にできない。行き詰まっていました。
そんなとき、講座の中で投げかけられた一つの問い。
「今、あなたがはまっていることは何ですか?」
秋山さんは少し考えて、「筋トレ」と答えました。
プロのキックボクサーでもある秋山さんにとって、筋トレは趣味というより、食べることのように「当たり前」の日常でした。でも、その瞬間、気づいたのです。この「当たり前」こそが、自分の「好き」だったのだと。
そこから、周囲も驚くスピードで、物語が動き始めました。
秋山さんが生み出したのは、手のひらサイズの筋トレ器具「くるくるパンプアップ」。くるくる回すだけで、内蔵されたボール玉の遠心力が筋肉に負荷をかける。自分で負荷を調整できる、シンプルで独創的なトレーニングツールです。
そして2012年11月、試作品を携えて、人生初のデザインフェスタへ。知らない人に商品を説明するのも初めて。でも、熱いプレゼンテーションに、ブースには常に人だかりができました。
理学療法士が「効いているのがわかる」と言ってくれた。クレー射撃で腕を鍛えている女性が「どうしても売ってほしい」と食い下がってくれた。自分専用につくったはずの器具を、子どもも、女性も、年配の方も気に入ってくれる——想定外の、嬉しい発見でした。
「このような発見があるから、発信しなければならない」
秋山さんはFacebookで情報を発信し続け、ファンと交流しながら改良を重ね、次はクラウドファンディングへの挑戦を決意。本格的な販売を目指し始めていました。
「価値観は多様化している。新しい価値・市場・ニーズを探すために、アンテナをはりめぐらしていく」
注文を待ち続けていた日々から、自ら未来を切り拓く経営者へ。秋山さんは、180度変わっていました。
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この物語の続き、秋山さんの探求の旅の全編は、noteでご覧いただけます。
👉 記事全文を読む: https://note.com/zenschool/n/n3bc49feced40
















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