論理的思考だけでは

可能性は殺される

トゥルー・イノベーション

幸福学xイノベーション・幸せならイノベーションを起こせる(ニッコリ!)

論理的思考だけでは

​可能性は殺される

「禅的」対話で社員の意識を変えた

トゥルー・イノベーション

■三木康司 著
■出版元:株式会社CCCメディアハウス
■価格:1,600円+消費税
■2018年6月1日発売
 
解説:なぜ私は「ニッコリ」しているのか!?
【慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授 前野隆司】

帯に写真を掲載していただいた。ミーハーなことに、うれしい。しかし、帯に載る時って、何か気の利いたコメントをふりしぼるのが普通なのに、本書の帯では小さく「前野先生もニッコリ」。え? それだけ? こんなのアリですか? って感じである。



それだけではなぜ私がニッコリなのか意味がわからないと思うので、その背景を解説しよう。

 

自己紹介が遅くなったが、私は、イノベータであり、仏教研究家であり、幸福学研究者である。そう自負している。



まず、精密メーカー技術者だったころ、超音波モータという日本初の発明に寄与し、そのころの私の発明は五十以上の登録特許になった。メーカーに九年勤めてから、慶應義塾大学の機械工学科に移り、ここではロボット工学という分野の中に新たな触覚研究分野を創造することに貢献した。その後、大学院システムデザイン・マネジメント研究科に移ってからは、幸福学という新学問領域を作った。このように、私は、製品開発や学問分野創出という意味でイノベーションを起こしてきた。さらに、最近も、「構造シフト発想法」「欲求連鎖分析」「感動のSTAR分析」といったアイデア発想技法や分析法を開発してきた。自分で言うのもなんだが、イノベータである。


そして、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房)という本を書いた二〇〇三年以降、仏教や禅やマインドフルネスの研究をしてきた。さらに、先ほども述べたが、幸せの研究もしている。



その結果わかった重大な秘密をお教えしよう。

「幸せならイノベーションを起こせるし、イノベーションを起こしている人は幸せな人」なのである。要するに、イノベーションを起こすためには、幸せであればいいのである。そして、マインドフルネスは幸せな心を作るためのキーである。


 

ここまでわかったころに、私は三木さん、宇都宮さんと出会った。で、zenschoolを見学させてもらったところ、これはまさに幸せとイノベーションを架け橋する活動だったのである。これはすごい。おもしろい。そこで、私はzenschoolの効果についての研究をするようになった。



私の経験によると、心を整え、幸福度を向上させ、何をやりたいかを明確化してからアイデアを出すと、ただアイデアを出した時よりも、成功確率が高まる。幸せな人は、やってみよう、なんとかなる、自分らしく、という三つの力が強いからだ。


幸せな人は不幸な人よりも創造性が三倍高いというアメリカの研究結果もある。幸せとイノベーションは深くリンクしているのだ。

 

zenschoolではさまざまなメソッドの一つとして、瞑想を行う。瞑想の起源は仏教である。マインドフルネスの理論によると、瞑想をして心を整えると生産性や創造性が高まることが知られている。だからアメリカのグーグルでも、サーチインサイドユアセルフというマインドフルネスプログラムを取り入れていることは有名な事実である。


 

zenschoolが重視するのは、鎌倉である。ZENという名称からも、瞑想やマインドフルネスを重視することからも、そこには必然性が感じられる。寺社仏閣が多く、武家文化が残る鎌倉で心を整えることは、当然イノベーティブな活動に適しているというべきだろう。きっと、源氏や北条氏も、かつて鎌倉で斬新な発想を思いついていたのであろう。


ちなみに、蛇足だが、仏教にはいろいろ宗派があるが、その中のひとつである「禅宗」を英語ではZen School という。だから、zenschoolは英語だと仏教の宗派と誤解されやすい。国際ポジティブ心理学協会の国際会議でzenschoolについて発表した時、誤解されないように細心の注意を払ったものである。



さて、手法に話を戻そう。


「ワクワク・トレジャー・ハンティング・チャート」もいい。名前だけ見るとこれはまともな手法か? と疑いたくなる方もおられようが、強みと課題を掛け合わせるとアイデアが出やすい、ということはマトリックス法というアイデア発想技法の研究でも知られており、これはそのアドバンス版である。


ほかにも、「ミー・トゥー・イノベーション」「トゥルー・イノベーション」「カメのイノベーション」「ウサギのイノベーション」など、いろいろとユニークな分類がある。これらの一風変わったイノベーション手法は一見キワモノっぽいが、使ってみるとわかりやすいし役に立つ。


 
zenschoolは、これらの手法を駆使した結果、実際に経営者や会社員の方が、高い確率でイノベーションを生み出しておられることが特徴である。顧客のメインは今のところ製造業の中小企業の経営者。最近では、製造業のみならず、AI(人工知能)や医療の分野でもおもしろい成果が出始めている。さらに、サービス、音響機器、そして美術館といった施設まで、多種多様なイノベーションが生み出されている。
 

それにしても、大企業の方が、我が社はイノベーションが起こらない、と苦しんでいるのを横目に、中小企業の経営者の方々が楽しいイノベーションを連発されているのは、なんとも小気味良いではないか。



大企業の方々は言うかもしれない。いや、我々は、ハイテクを駆使して、もっと市場規模の大きいイノベーションを目指しているから難しいのだ。本書のアイデアって、結構子供だまし的というか、幼稚なんじゃないの?


 

いやいや、大企業の方の、その発想が間違っているのである。子供のような純粋な心で、心をオープンにして、ワクワク生き生きしながら、自分の強みを生かしていれば、そこには幸せがあるのである。そして、幸せな人は、アイデアが湧き、市場に受け入れられるおもしろいイノベーションを生み出せるのである。イノベーションには高級とか低級はない。お客様が喜んでく

だされば、つまり市場に受け入れられれば、それはイノベーションなのである。


まだ未発表だが、私が妻と一緒に行った研究成果をこっそりお教えしよう。zenschoolの前後比較をすると、なんと、ほとんどの人は幸福度が上昇するのである。やっぱり。


幸福度向上とは、心のイノベーションである。心が変わる。内面が変わる。そして、同時に、イノベーティブなアイデアは世界を変える。外界が変わる。外面が変わる。つまり、zenschoolは、内面と外面のイノベーション。全体包含的なのである。ホリスティックである。東洋思想的である。だから本当にイノベーションを起こせるのである。True Innovationである。



zenschoolの参加者は、もちろん、みんな楽しそうである。内面も、外面も、つまり、みんなが幸せになるのである。ニッコリである。すばらしい。幸せな社会づくりである。世界平和の始まりである。こんな素敵な活動、ぜひ皆さんも一度体験していただきたい。


つまり、zenschool は、私の大好きな、イノベーションと、仏教と、幸福学を統合した象徴のような活動なのである。今後、日本から世界に発信すべき、実践知なのである。しかも、ユニークである。だから、zenschoolは、研究者である私にとって、格好の研究材料である。あー、すばらしい。ともに世界を変えられる。あー、楽しい。ワクワク。僕のトレジャー。これから

がさらに楽しみである。

 

そして、私は、思わずニッコリするのである。

『トゥルー・イノベーション』刊行記念!
特別トーク・ライブを開催しました。
​みんなニッコリ!
https://zenmono.jp/story/365
AI時代のイノベーションは市場リサーチを重視するロジックの積み上げではなく、誰もが自分の内に秘めている「本当にやりたいこと(情熱)」から生まれる。しかし「本当にやりたいこと」に気づき、それを新規事業に結びつけるにはコツが必要だ。zenschoolという独自のメソッドで、成功するイノベーターを多数輩出してきた“真の情熱”を探すメソッドを公開する。

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