「細穴加工にワクワクしない」町工場女性社長の、意外すぎる第二章
- 三木康司

- 9月1日
- 読了時間: 2分

東大阪で細穴放電加工の町工場を営む東山香子さんは、創業13年目のある日、ふと立ち止まりました。
「細穴加工にそんなにワクワクしないからどうするんだろう」
直径3mm以下の精密な穴を金属に開ける技術で、従業員10名の会社を築き上げてきた東山さん。メディアにも注目され、事業は軌道に乗っていました。それでも心の奥底で感じていたのは、何とも言えない「もやもや」でした。
元々は信楽で10年間陶芸に打ち込んでいた東山さん。海外青年協力隊への夢を諦め、祖父の鉄工所の記憶とともに製造業の世界に飛び込んだのは29歳の時。しかし創業から10年が経ち、「自分が本当にやりたいことは何なのか」という問いが、静かに心を占めるようになっていました。
そんな時、製造業仲間から勧められたのがzenschoolでした。「何も教えません」というキャッチフレーズに惹かれ、2017年夏、大阪校の扉を叩きます。
「貧乏性で3日間で絶対出したいみたいなのがあるし、でも出るのかなというのがあった」
ワクワクしない現実と向き合う中で見えてきたのは、意外な答えでした。町工場の経営者たちと過ごす時間の豊かさ、そして「60過ぎたらやろう」と思っていた飲食店への想い。
「客が死ぬよ」という村上さんの一言で、東山さんは気づきます。お客さんは年配の社長が多い。自分が60になったら、彼らは何歳になるのだろう。
「今やればいいか、できるわ」
zenschool修了後、東山さんは動き始めました。町工場経営者のための秘密のバー「エストロバー」。お客さんは2名まで、平均5時間。経営者だからこそ抱える悩みを、同じ道を歩む女性として受け止める場所。
「製造業の町工場の人たちが元気になるようなことはしたい」
試作を重ねるうちに確信しました。これは、できる。家という身近な場所で、心からやりたいことを形にできる。
東山さんの物語は、「ワクワクしない」という正直な気持ちから始まりました。そして、本当に大切にしたい人たちのために何ができるかを問い続けた結果、思いもよらない形で花開いたのです。
この物語の続き、東山さんの探求の旅の全編はnoteの詳細記事でご覧いただけます。
















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