「何しに来たんですか?」と問われ続けた16日間
- 三木康司
- 9月3日
- 読了時間: 3分

製造業の枠にとらわれない東大阪の町工場社長の物語
「もう1つよく分からなかったですね。」
2012年、enmonoの三木さんの講演を初めて聞いた大熊重之さんの率直な感想でした。株式会社オークマ工塗の代表として塗装業を営む大熊さんは、ずっと一つの憧れを抱いていました。それは「自社商品を持つこと」。
「塗装業をやってるとモノがないんです。必ずお客さんから預かったモノに色を付けるということなので、自分とこの形ってないんです。それがすごい憧れだったんです。」
過去にも挑戦はしていました。iPhoneケース、トイレレバーカバー。しかし、思うような結果は得られませんでした。自社商品への想いは募るばかり。そんな時、再び三木さんの話を聞く機会があり、今度は「zenschool」というプログラムを知りました。
「絶対取り出せますか?」と三木さんに確認した大熊さん。「100%取り出せます」という答えを信じて、zenschool16期への参加を決意しました。
しかし、現実は想像を超えるものでした。
「『何しに来たんですか?』って何回も言われてね。」 「想像もしてなかったです。何を言ってるのかが分からない。」
依存していた自分に気づかされる日々。取り出してもらえるものだと思っていたのに、問いかけられるばかり。最終日まで苦しみ続けました。
それでも、ついに取り出せたものがありました。
「父親に憧れてたっていうのがあって、その父親がやってた仕事が塗装だったので、塗装の職人に憧れがあったんです。『あれ?もっと職人がカッコよく輝いてもいいのにな』ということが出てきまして。」
この想いから生まれたのが、新商品「SOUKI」でした。プラスチック素材に独自の塗装技術を施し、まるで金属のような質感を生み出す器。2017年末から2018年にかけて、三越日本橋本店で展示販売も実現しました。
さらに大熊さんの挑戦は続きます。塗装技術を活かした古家再生事業、一般社団法人全国古家再生推進協議会の設立、企業主導型保育支援協会の立ち上げ。「人と違うことをしろ」という父親の言葉を胸に、製造業の枠を超えた活動を展開していきました。
そして2019年、大熊さんはzenschool関西のマスターとなり、新たな挑戦者たちと向き合う立場に。
「やっぱり人の中から(何か)取り出せるところですね。」
かつて「何しに来たんですか?」と問われ続けた人が、今度は人に問いかける側に。製造業という枠にとらわれることなく、人の困り事を解決することを目的に歩み続ける大熊さん。
もしあなたも「このままでいいのか?」という想いを抱えているなら、大熊さんの物語は大きなヒントになるかもしれません。
【続きを読む】 この物語の続き、大熊さんがzenschoolで体験した16日間の詳細なプロセス、SOUKIに込めた想い、そして製造業を超えた多彩な事業展開の背景まで、すべてをnoteの完全版記事でお読みいただけます。
コメント