行き詰まりを感じたら、内なる声に耳を澄ませて。モヤモヤを力に変える「内なる探求」とは
- 三木康司
- 5月5日
- 読了時間: 6分
こんにちは。リーダーシップや新しいアイデアで、あるいは人生そのものに、なんとなく行き詰まりを感じることってありませんか?
Podcast
今日は、そんな時にどうやって突破口を見つけるか、そのヒントを探ってみたいと思います。特に注目したいのは、個人の情熱や、言葉にしにくい**「モヤモヤ」**とした内なる感覚です。それをどうやって具体的な価値に変えていくのか、そのアプローチに迫ります。
今回、手元にあるのは「Zenschool(ゼンスクール)」というプログラムの創設者や卒業生の方々の記録です。彼らがどうやって自分の中の本当にやりたいことを見つけ、独自のイノベーションにつなげていったのか、そのプロセスを一緒に追体験してみましょう。
参加者の方々がそれぞれの葛藤や経験とどう向き合い、それを力に変えていったのか。一見するとバラバラに見えるような点がどう繋がって線になっていくのか。その確信に迫ります。
外から見れば順調でも…それぞれの「行き詰まり」...
まず、その変化が起きる前の状況から見ていきましょう。
富山の町工場、株式会社フジタの梶川さん。事業を引き継いだものの、主要な取引先が海外に移転して売上がガクッと減ってしまいました。大変な状況の中で、「うちは一体何屋さんなんだろう?」と会社のアイデンティティ自体が揺らいでいたそうです。従来の経営セミナーでは、この閉塞感をなかなか打破できなかったといいます。
一方で、成功している人にもまた別の葛藤があるのも面白い点です。後に空飛ぶクルマのSkydriveを創業する福澤さん。大手自動車メーカーで活躍されていましたが、「これが本当に自分のやりたいことなのか?」とずっと自問していたらしいのです。情熱を注いでいた有志活動はあったものの、資金調達などの課題もあり、本業のキャリアとの間に距離感を感じていました。
また、ZenEating創設者のももえさん。この方もウェルネスの専門家なのに、ご自身はウェルネスゼロだったそうです...。海外経験や学びは豊富なのに、それを一つに束ねる核が見つからず、事業の構想も停滞。伝統的な瞑想なども続かず、「落第生だ」と感じていたといいます。これもまた、多くの人が共感しそうな悩みですよね。
そして、Zenschool創設者の三木康司さんご自身も、輝かしいキャリアをお持ちだったのにリストラを経験され、深い精神的な危機に陥った経験があるそうです。
ここまで見てくると、皆さんに共通しているのは、外から見れば順調だったり経験豊富だったりするんだけど、内面では行き詰まりや矛盾を抱えていたという点です。
鍵は「心理的安全性」と「内なる探求」
まさにそこに、変化のきっかけとして作用したのが「Zenschool」だったのです。
キーワードは**「内なる探求」**。具体的にはどういうことなのでしょう?単に瞑想したり話したりするだけではないようです。
すごく大事なのが、心理的安全性が確保された場であること...。その上でやるマインドフルネスは、単にリラックスするのではなく、普段あまり意識に上らない自分の本音や感覚に気づくための手段なのです。例えば、先の梶川さんの場合、ご自身で封印していた美的感覚に気づくきっかけとなりました。静かな中で、自分の内側の声を聞くようなイメージですね。
バラバラな点が線になる。「自分らしさ」がイノベーションの源泉に
内なる探求を通じて、それぞれの参加者に変化が起きました。
梶川さんは、その美的感覚から「美術館のような工場」という、まさにユニークな発想を得たのです。
福澤さんの場合はどうだったのでしょう?彼は「素直にありのままに生きる」という気づきがありました。それが彼にとっては、「オーセンティシティ」、つまり本物であることの発見だったわけです。自分に正直であることの重要性に深く気づき、それが安定した大企業を離れてリスクを取ってでも本当にやりたいこと、つまり空飛ぶクルマに人生をかけるという覚悟につながったのです。
ももえさんの場合は、自分の人生を貫くテーマとして**「冒険」**という言葉を見つけました。それで、それまでバラバラだと思ってた経験が全部繋がったといいます。これ面白いですよね。なんか新しいスキルを足すんじゃなくて、すでにあるものに光を当てるみたいな感じで...。
まさにおっしゃる通りです。危機や葛藤をある意味きっかけにして、自分の内面と深く向き合う。そうすると、自分の中核にある動機や価値観を再発見して、それを言葉にしていく。このプロセス自体が、従来の延長線上にはちょっと思いつかないような、ユニークでかつ力強いイノベーションの源泉になるということみたいです。
内なる声が生んだ、驚きの現実
その結果がまたすごいのです。
梶川さんは、本当に工場の中にメタルアート美術館「FAMT」(Factory Art Museum Toyama)を設立し、工場のイメージをガラッと変えました。実現されたのが素晴らしいですよね。
HOME | FactoryArtMuseum-T
町工場にあるメタルアートミュージアム 創造性の高い、金属アート作品を展示してあります。

福澤さんはSkydriveを率いて巨額の資金調達に成功し、さらに有人飛行まで実現させています。ニュースにもなりましたね。
SkyDrive_TOP - 株式会社SkyDrive株式会社SkyDrive | 空を、走ろう。
株式会社SkyDriveは「日常の移動に空を活用する未来」を実現するべく、2018年7月に設立、「空飛ぶクルマ」及び「物流
もえさんのZenEatingは、Googleのようなグローバル企業にも導入されるプログラムになっています。それもすごいですね。
Zen Eating to Enrich Your Life -食事時間をきっかけに心身に豊かさを
Zen Eating(食べる瞑想)は、食事をきっかけに心を調える禅的な食事時間を提供 Zen Eating is a me

そして、三木さんご自身は、ご自身の体験を元にZenschoolを創設し、こうしたイノベーターというか、変化を起こす人を次々と育成されています。
イノベーションは「内発的動機×潜在能力」の掛け合わせ
こうして見てくると、Zenschoolが提唱しているTrueInnovation®(トゥルー・イノベーション)、つまり個人の内発的な動機と潜在能力の掛け合わせという考え方が、すごく腑に落ちますね。
つまり、市場のニーズがどうとか、外から始めるのではなくて、あくまで個人の内側から湧き出てくるものがスタート地点なのです。だからこそ、他にはない本当にユニークな価値が生まれやすい。もちろん、それを事業として成立させるには、外部環境との接続など色々なハードルはありますが、その困難を乗り越えるエネルギーや事業の独自性の源泉は、結局この内なる確信のようなところにあるのでしょう。
あなたの「内なる鍵」を見つけよう
今回の探求で見えてきたのは、やっぱり行き詰まりを感じた時、答えは必ずしも外にあるわけではなく、自分自身の経験や情熱、時には弱さや葛藤の中にだって、次のステージへの鍵が隠されている可能性があるということですね。
本当にそう思います。だから、これを聞いている皆さんも、ご自身の経験をちょっと振り返ってみて欲しいんですよね。まだ気づいていない「内なる声」とか、あるいは統合されるのを待ってる「冒険のテーマ」みたいなものが眠っているかもしれません。
最後に、ちょっと皆さんにも考えてみて欲しいのですが...、
あなたのこれまでの経験や情熱の中で、一見すると全然関係なさそうに見えるんだけど、実は組み合わせたら面白い化学反応が起きそうなものって、何かありませんでしょうか?
それがもしかしたら、今抱えている課題やモヤモヤを晴らす意外なヒントになるかもしれません。
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